深圳における特許不正出願の取り締まり状況|深圳の最新知財ニュース

 中国では特許出願件数が増加の一途をたどるなか特許大量出願と正常でない出願に対する政府の対応として、2021年1月27日に国家知識産権局から『特許出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知』が発行されました。各省に特許出願規制が求められましたが、深圳での規制実施の状況について概要をまとめます。

もくじ

1. 不正出願に対する中国政府の規制

2. 広東省での規制

3. 規制に対する深圳での取り組み

4. 深圳の最新知財プロジェクト

5. まとめ

1.  不正出願に対する中国政府の規制


  2021年1月27日に国家知識産権局から発行された『特許出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知』では、各省と各地域に対して次の項目が要求されました。

・特許出願の量と質を地域の経済発展レベル、産業発展のニーズ、科学技術革新能力に合わせて指導することに重点を置き、それぞれの活動指標を科学的に設定し、品質志向を強化し、高品質の開発を目指す。
・資金補助や出願奨励制度などを完全に廃止し、特許の転化、応用、行政保護、公共サービスへの支援を強化する。
・特許出願の秩序を規制し、イノベーションの保護を目的としない異常な特許出願を取り締まり、効果的に抑制し、知的財産の質の高い発展を促進する。 

2.  広東省での規制


  これを受けて広東省知的財産権局は、『広東省通知[2021]第11号』を公布しました。この通知では、広東省の実情に合わせて国の規制内容を細分化し、具体的な措置や作業要件を明確にしました。

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3. 規制に対する深圳での取り組み

 
  広東省の通知が公布されて以来、深圳では関連する作業要件の実施に意識的に取り組み、段階的に成果を上げてきました。主な取り組みは以下のとおりです。

1)関連作業指標の見直し

 『深圳市知的財産権の保護と応用に関する第14回5か年計画』の関連作業指標を最適化および完備し、品質志向の強化を求めました。また「人口1万人当たりの高価値発明特許保有数」指標を追加しました。この指標は、戦略的新興産業、特許担保融資額が高い特許などを対象としています。

  政府の業績評価指標の最新の改訂では、発明創造に相応の質の高い開発を促進するための評価指標が策定されました。この指標では、10年以上の有効な発明特許の維持率、特許担保融資額などの、特許の質や転化・応用のレベルを反映することに焦点を当てています。知的財産権に関する活動指標の科学的かつ合理的な性質がさらに改善されたことは、深圳における知的財産権の高品質な発展を促進するための傾向の変化と前向きな結果を反映したものといえます。

2)資金補助と奨励制度の見直し

  4月29日、深圳市は『深圳市市場監督管理局の特許資金補助政策の実施停止に関する通知』を通じて、PCT特許出願および特許出願代理機関による特許出願代理行為に対する資金補助の実施を停止することを発表しました。登録特許に対する資金補助の実施も停止されます。深圳市市場監督局(深圳市知的財産権局)は、2020年3月以降に受理・承認された特許出願代理機関による出願に対して、2021年6月30日までに総額2,401万1,000元の資金を割り当て、今回の資金補助を終了したと報じられています。

  さらに深圳市は今年、『深圳市市場監督管理局の知的財産権分野における特別基金の運営規程』の改訂を開始しました。現在改訂版ドラフトが完成してパブリックコメントのために公開され、フィードバックに基づいてさらに改訂されています。今回の改訂版では、特許出願に関する資金補助を完全に廃止し、特許転化・応用、行政保護、公共サービスへの支援を強化するとのことです。そして特許価値の向上、知的財産権の海外展開能力の向上、中小企業の特許転化・応用、産業用知的財産権の保護・ガバナンス能力の向上、知的財産権情報公共サービスシステムの構築などに対して、資金補助や出願奨励制度が設けられます。

3)特別是正作業の開始

 「イノベーションの保護を目的としない異常な特許出願」に対抗し、特許出願の秩序の規制を目的とした全市的な特別是正作業が開始されました。特許出願情報を審査する仕組みを改善し、専用ネットワークを通じて苦情や報告を受け付け、不正な特許出願に関する情報をまとめ、関連する監督・執行機関を適時に組織して情報を確認・処理し、関連する特許出願人や代理人が自己審査・自己修正を行うように監督することとしました。

  さらに今回の是正作業では、特許出願の分野における信用監視を強化し、異常な特許出願を代行したとして行政処分を受けた代理店を、資金補助や出願奨励制度、業界内での評価の面で連携制約が課されます。異常な特許出願がハイテク企業などの各種優遇政策を不正に取得するために利用されるのを防ぐため、部門間の情報伝達と連携を強化すること図るとのことです。 

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4. 深圳の最新知財プロジェクト

 
  また最近の深圳における国家的な知財に関する取り組みとして、9月18日に中国(深圳)知的財産権保護センターが設立されました。

  このセンターは国家級の知的財産権保護センターであり、深圳市市場監督局(知的財産局)傘下の公共事業機関です。設立の目的として、重点産業に専門的なサービス支援を提供すること、企業と一般市民が知的財産権の利便性と政策的配当を効果的に実感できるようにすること、各種イノベーションテーマの知的財産権創造の質を高め、科学技術成果の実際の生産性への転化を促進することを掲げています。また集中的な1つのネットワークとして機能することで、知的財産権保護のベンチマーク都市となることを目指すとのことです。

5. まとめ

 
  いずれの取り組みも『特許出願行為の更なる厳格な規範化に関する国家知識産権局の通知』を反映したものとなっており、特許の質向上、権利の保護、特許の転化が強調されています。知的財産分野に特化した第14回5カ年計画、2035年までの長期計画の整備に向けてこうした取り組みが引き続き展開されると見込まれます。


(参考記事)
http://www.iprdaily.cn/news_29152.html
http://finance.sina.com.cn/jjxw/2021-09-18/doc-iktzscyx5068585.shtml


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