中国のライブコマース技術に関して
どのような特許が出願されている?

”ライブコマースとは芸能人やインフルエンサーなど影響力が高いと言われている人達が、ライブ動画を使用してリアルタイムで商品を宣伝、販売する手法のことを指します。

日本でも2017年頃から認知され始めており、徐々にライブコマースによる販売手法が注目を集めています。ECで日本よりも先行している中国ではECの中でもライブコマース市場が急速に拡大しており、日本でもYouTubeやTikToKをはじめとする動画系サービスの普及とともに今後急速な市場の拡大が予想されます。”



(参考記事) https://bizee.jp/business-know-how/live-commerce-japan/

もくじ

1. 中国ライブコマースの発展

2. 中国ライブコマースに関する特許検索

3. 特許出願推移

4. 上位出願企業

5. パテントマップ

6. 中国ライブコマースに求められるもの‐テクノロジー 

7. まとめ

お問い合わせはこちら

1. 中国ライブコマースの発展


  ライブコマースは、2016年に淘宝(タオバオ)が最初のライブ配信を行ったことに始まります。その後2019年に急成長し、2020年にはライブ配信者、有名人、司会者、有名な起業家、インフルエンサーなど、あらゆるユーザーがライブ配信を行い、商品を販売しています。ライブ配信はこれまで中国でどのように発展してきたのでしょうか?

1) モバイル通信技術の向上によりライブコマースが急速に発展している

  5Gモバイル通信技術は、ライブコマースにおけるユーザー体験を大幅に向上させることができます。5Gは以前の4Gなどと比較して、帯域幅だけでなくネットワーク速度やその他の基本的な技術力が大幅に向上しています。インターネット、IT、インテリジェンス、柔軟性のレベルが高いことから、ユーザーに優れた購入体験をもたらすことができ、ライブコマースのさらなる発展をもたらしています。

  中国の通信料金が大幅に低下していることも、ライブコマースのための強固な基盤を築くことに寄与しています。中国情報通信研究院が発行した『中国ブロードバンド料金水準報告書』によると、2019年第4四半期、中国の平均モバイルデータ通信料金は5元/GBで前年同期比41.2%減でした。ユーザーの平均月間モバイルデータ使用量は、前年同期比76.2%増の7.79GB、平均月間携帯電話世帯支出は前年同期比7.5%減の46.8人民元となりました。

2)中国ライブコマースはすでに膨大なユーザーを抱えている

  中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した『第45回中国インターネット網発展連絡状況統計報告』(以下「報告書」)のデータによると、2020年3月時点で、中国のインターネットユーザー数は9億400万人であり、2015年末の6億8,800万人の1.31倍となっています。なかでも携帯電話のインターネットユーザー数は、2015年末の6億2,000万人の1.45倍となる8億9,700万人となっています。利用端末がPCからモバイルへと急速に移行する中で、これまでの検索重視のアプローチではニーズを満たすことができず、コンテンツ重視の新しいアプローチへの転換が求められています。

  CNNICが発表した報告書のデータによると、2020年3月時点で、中国のオンラインショッピング利用者数は7億1,000万人で、2015年末の4億1,300万人の1.72倍となりました。この数はインターネット利用者全体の78.6%を占めています。携帯電話を使ったオンラインショッピングのユーザー数は、2015年末の3億4,000万人の2.08倍となる7億700万人に達しています。

  また、2020年3月時点で、中国のライブ中継ユーザーの規模は5億6,000万人に達し、2018年末からの1億6300万人の増加であり、インターネットユーザー全体の62.0%を占めています。このうち、ライブコマースユーザー数は2億6,500万人で、インターネットユーザー全体の29.3%を占めています。さらに中国のオンライン動画(ショートムービーを含む)ユーザー数は8億5,000万人に達しており、2018年末から1億2,600万人の増加で、インターネットユーザー全体の94.1%を占めています。

3)ショートムービーによる収益化がライブコマースの市場を開拓した

  上記のライブコマースユーザー数やライブ配信数やインターネット利用時間は、巣ごもり消費の影響でさらに増加しています。これに伴い、ショートムービーを利用したボーナス配布が促進され、ライブコマースの急速な発展のために良好な外部環境を作り出しています。ショートムービーのプラットフォームは、多様で豊富でエンターテインメント性の高いコンテンツを提供し、参加の敷居が低く、利用料金が低く、ユーザー粘着性が強いため、ユーザーからのニーズに応えることができ、ユーザー数や利用時間が大きく伸びています。

  中国のショートムービープラットフォームはスタートアップによって作れたものが多く、これらは利用料金が低いという特徴があります。快手(クアイショウ)、抖音(Douyin)のほかに、淘宝(タオバオ)は非常に早い段階でライブコマースを開始して大きな成功をおさめました。この理由として、ショートムービーのプラットフォームの収益率が大きく、新規ユーザーを引き込むコストが相対的に低いことです。Windのデータによると、2019年の各種プラットフォームのユーザー獲得コストは、快手が15元、抖音が20元、拼多多(ピンドウドウ)が284元、阿里巴巴(アリババ)が420元、京东(JD.com)が508元となっています。また、好みのKOLなどがいるショートムービープラットフォームを利用しているユーザーは、滞留時間が長く、効率的な社会的関係を形成しやすく、ライブ配信者による商品紹介があり、コストパフォーマンスの高い商品を推奨するショートムービーを好んで見ていることがわかっています。


(参考記事)http://www.8u.cn/news_detail_577.html 

お問い合わせはこちら

2. 中国ライブコマースに関する特許検索


  上記のようなライブコマースの発展にある中国で、ライブコマースに関連してどれくらいの特許、またどのような内容の特許が出願されているかを調べました。

  今回の特許検索では、データベースに世界知的所有権機関(WIPO)が提供する特許データベースPATENTSCOPEを利用しました。ライブコマース関連の特許を抽出するためのキーワードを、「動画のライブ配信を通じて行われるEコマース」という考えに沿って組み立てました。具体的には、Eコマースのキーワードとして、「电商、电子商务、新零售、购物体验、直播商品など」を設定し、ライブ配信のキーワードとして「直播、主播、网红、短视频、短片など」を設定しました。そして補足的に次の共通特許分類(Cooperative Patent Classification:CPC)を使用しました。

3. 特許出願推移

お問い合わせはこちら

4. 上位出願企業

5. パテントマップ

  抽出した特許において考慮されていた課題(上記グラフ横軸)を抽出し、これらの課題を解決するための手段(上記グラフ縦軸)を特定してパテントマップを作成しました。具体的な解決手段と課題は以下のように設定しました。

お問い合わせはこちら

6. 中国ライブコマースに求められるもの‐テクノロジー

 
  中国ライブコマースの課題についてまとめられて記事を以下に紹介します。

  中国ライブコマースにとって最大の問題は技術です。技術とは、ライブ配信中のユーザーの購入体験を向上させる方法と、ライブ配信をEコマースとよりスムーズに統合してコンバージョン率を高める方法のことです。これを実現するために、以下の技術に焦点を当てる必要があります。

1)音声技術:ライブ配信のなかで配信者がある商品の説明をすると、その商品へのリンクが表示され、ユーザーは簡単にショッピングカートに入れることができます。また最近では、配信者が音声パスワードを発した後、ユーザーはアグリゲーションアプリを通じてパスワードを「叫ぶ」ことで、割引を受けて商品を購入するという方法も存在します。これらの方法によれば、ユーザーはライブ配信中にある商品を購入したいと思ったときに購入手続きをすることができ、インタラクティブ性が向上し、コンバージョン率向上につながります。

2)画像技術:配信者が特定の商品を表示したり、特定の場所に配置したりすると、画像認識技術が対応する商品を検出してユーザーに推奨します。この画像を見たユーザーは商品を注文し、ライブ配信中に実際の購入が実現します。このときにリアルタイムの画像認識を行うのは容易ではないため、画像認識技術をどのようにライブコマースに結びつけるかが課題となっています。

3)VR技術:ライブ配信とVRの組み合わせは大きなトレンドです。VR(仮想現実)やAR(拡張現実)技術を使用したライブコマースでは、こうした画像を通じて商品情報の理解を深めたり、インフルエンサーとやり取りしたりすることができます。たとえば、ヘルメットをかぶってバーチャルモールにたどり着くと、ショッピングアドバイザー(ライブ配信者)が商品の説明をしていたり、野次馬(コミュニティ)ができていたり、これまでにない購入体験ができるようになります。

4)オープンプラットフォーム:現在、Eコマース業界のリーダーは、ライブ配信業界に参入しようとしていますが、ライブ配信プラットフォームはいずれも、インフルエンサーや芸能人に商品をうまく販売してもらうよう誘致しており、ライブ配信プラットフォームはEコマース企業に開放されていません。しかしライブコマースの普及は時間の問題であり、将来的には確実にEコマース企業にも開放されることでしょう。ライブ配信プラットフォームはライブ配信を行い、商品にアクセスして注文を得ることができます。一方、Eコマース企業は、商品ページから直接ライブ配信を行う機能を備えています。

  これらの技術的な問題を解決するのは、時間の問題かもしれません。音声、画像、VR技術が短期的には成熟しないとしても、音声パスワードなどを通じてライブ配信とEコマースの融合をよりスムーズにし、ユーザーのライブ購入体験を向上させることができます。


(参考資料)http://www.quklive.com/home/page/news/detail?id=91

7.まとめ


    IPOMOEAでは、より詳細な情報をお届けできるほか、各種ニーズに応じた中国特許調査サービスをご提供できます。お気軽にご相談ください。
 

  詳しくはこちら 

特許調査レポートのサンプルをご紹介

今すぐ無料で問い合わせる

報告書作成例は可能な範囲でご提示させて頂きますので、お気軽にお問い合せください。

特許翻訳・技術翻訳IPOMOEA Co.,Ltd.

  • Copyright © IPOMOEA Co., Ltd. All Rights Reserved.

Contact Us

  • 株式会社 IPOMOEA
    〒 924-0878
    石川県白山市末広1-156 (306)

  • 076-220-7091

  • 【受付時間】平日 10:00~18:00

Site Map