中国新エネルギー自動車メーカー
特許出願TOP20社のAI技術動向

中国新エネルギー自動車特許

  2020年、中国の自動車市場はコロナウィルスの影響を受けて縮小したものの、中国の新エネルギー車市場は成長が見られ、マイナスからプラスに転じるほど成長が見られました。生産台数と販売台数は、それぞれ13億6,600万台(7.5%増)と13億6,700万台(10.9%増)であり、ともに過去最高を記録しました。以下は、ジェトロによる2020年中国上位新エネ車メーカーの乗用車販売台数の表です。

(参考記事)
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2021/158dd9b2f489b2d2.html


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  競争の激しい新エネルギー車市場ではコア技術を確立することが特に重要です。そして特許が重要であることは言うまでもありません。特許保有件数はイノベーションのハードパワーを最もよく表しています。

業界では、蔚来、小鹏、理想、威马、零跑などの新しい自動車メーカーの勢力が目立ちますが、吉利、长安、长城、上汽、一汽、广汽などの伝統的な大手自動車メーカーも負けておらず、新旧自動車メーカーの勢力間の競争はますます激しくなっています。どちらが勝っているのか?企查查ビッグデータ研究所が発表した『新能源汽车专利20强企业榜单』(新エネルギー自動車の特許出願企業トップ20社リスト)を見ればその答えがわかります。

(参考記事)
https://auto.gasgoo.com/news/202106/3I70257612C501.shtml 

もくじ

1. 新エネルギー自動車メーカー特許出願トップ20社

2. 特許出願企業トップ20社のAI関連特許出願状況

3. 出願推移

4. 上位出願企業

5. 技術動向

6. AIコア技術に関する特許出願

7. 『新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)』

8. まとめ

1. 新エネルギー自動車メーカー特許出願トップ20社

 上記の企查查ビッグデータ研究所による新エネルギー自動車の特許出願企業トップ20社リストによると、新エネルギーのリーディングカンパニーである比亚迪(BYD)は、保有している有効特許数が9,426件で、2013年~2020年の特許総数でトップとなり首位を維持しています。2位の长安汽车(5,243件)と3位の北汽新能源(4,005件)の有効特許数を合わせると、他の上位19社の平均特許数の7倍になります。

  比亚迪は、3電システム(バッテリー、モーター、制御システム)のコア技術を確立した自動車メーカーとして優位性を確保しています。2021年1月~4月の比亚迪の自動車販売台数は、前年同期比60.48%増の14万9,379台となりました。そのうち、新エネルギー車の販売台数は80,413台で、前年同期比128.53%となりました。

  新たに参入した自動車メーカーでは、蔚来(NIO)が1,103件で7位であり、その子会社である上海蔚来が574件で11位となっています。2014年に設立された蔚来は、2021年4月30日には累計販売台数が102,803台に達しており、販売面でも特許面でも新しい自動車メーカーをリードしていると言えます。このほか、零跑汽车が593件の特許を取得して10位にランクしています。昨年10月には、独自開発による国内初のAIスマートドライビングチップをリリースし、テスラ、蔚来に続く3番目のコア技術を開発する新エネルギー自動車メーカーとなっています。 

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2.特許出願企業トップ20社のAI関連特許出願状況

  新エネルギー自動車はAI技術の応用分野としても大きな注目を集めています。主に自動運転を目的として、AI技術を搭載した自動車の開発が各社で進められています。本記事では、上記新エネルギー自動車特許出願企業トップ20社が出願しているAI技術関連特許について、出願状況を簡易的に調査しました。

  この調査では、世界知的所有権機関(WIPO)が提供する特許データベースPATENTSCOPEと、中国特許庁が提供する特許データベースPSS-Systemを使用しました。上記データベースの「出願人」に上記20社を設定し、これにAI技術に対応する国際特許分類(IPC。特許出願された発明を分類するため国際的に統一された分類であり、特許公報などの文献に表示されています)と、対応するキーワードを掛け合わせて対象の特許を抽出しました。

  IPCとキーワードの選択にあたり、国家知識産権局が2021年2月7日付で発表した『国家知识产权局办公室关于印发《战略性新兴产业分类与国际专利分类参照关系表(2021)(试行)》的通知』の付属書類『战略性新兴产业分类与国际专利分类参照关系表(2021)(试行).docx』(戦略的新興産業分類と国際特許分類の参照対象表)で定義されているIPCとキーワード、および日本特許庁が2020年7月に発表した『AI関連発明の出願状況調査報告書』で使用されているIPCとキーワードを参照しました。

  この方法で、1,682件のAI関連特許を抽出し、出願推移、上位出願企業、技術動向、AIコア技術関連の出願などを調べました。なお、今回抽出したAI関連特許は自動運転技術に限定されているわけではなく、筐体の設計、システムの設計、検査、販売などに適用されているAI技術分野からの出願も対象としました。


(参考記事)https://www.cnipa.gov.cn/art/2021/2/9/art_543_156705.html

(参考記事)https://www.jpo.go.jp/system/patent/gaiyo/sesaku/ai/document/ai_shutsugan_chosa/hokoku.pdf 

3. 出願推移

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  過去10年間の出願推移をグラフにしました。ピークは2018年です。中国における他分野の特許出願推移と同様の傾向を呈しています。2019年から2020年にかけて出願件数が減少している原因として、中国における出願日の要件が影響しているとも思われます。中国の特許法である「専利法」の第34条では、中国で出願された特許は出願日から18か月後に公開されると規定されています(専利法第34条細則第46条には、請求に基づく早期公開に関する規定があります)。このため、2019年と2020年に出願されていてもまだ公開されていない特許が存在する可能性があります。

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4. 上位出願企業

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  上記の新エネルギー自動車の特許出願企業トップ20社リストと対比すると、比亚迪股份有限公司が両方で1位となっています。特許出願件数がそれぞれ2位と3位であった上海汽车集团股份有限公司と重庆长安汽车股份有限公司は、その差がわずかでした。そのほか、爱驰汽车有限公司(2017年設立)が14位から8位、武汉格罗夫氢能汽车有限公司(2018年設立)が15位から9位になったことが特徴的です。

5. 技術動向

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  グラフの左側に記載したIPCに基づく技術分類を見ると、電気自動車のバッテリーに関する技術分野が上位を占めています。この分野からは以下のような特許が出願されています:

CN110077368A 模块化的换电站(モジュール化されたバッテリー交換所)-上海蔚来汽车有限公司
CN109969146A 移动式换电装置以及移动式换电装置组合(移動式バッテリー交換装置および移動式バッテリー交換装置組立体)-上海蔚来汽车有限公司

  次に、文字・パターン認識関連技術が続いています。この分野からは以下のような特許が出願されています:

CN112101092A 自动驾驶环境感知方法及系统(自動運転環境検知方法およびシステム)-北京智行者科技有限公司
CN112287918B 一种人脸识别方法、装置及电子设备(顔認識方法、装置、および電子機器)-湖北亿咖通科技有限公司 

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6. AIコア技術に関する特許出願

  IPCのなかにAIコア技術に適用される分類コード「G06N」があります。G06Nは、ニューラルネットワーク、深層学習、知識ベースモデルなど、AIの基礎となる数学的または統計的な情報処理技術が特徴付けられる発明に付与されます。上記「5. 上位技術分野」グラフでは、7位の「生物学的モデルに基づくコンピュータシステム>ニューラルネットワークモデル>アーキテクチャ」のコードが「G06N3/04」であり、これもAIコア技術に該当します。今回の調査ではこの分野から40件が抽出されましたので、これらを簡単に以下のグラフと表にまとめました。

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 上記のグラフで出願企業の順位がわかります。浙江零跑科技有限公司と上海汽车集团股份有限公司で半数以上を占めています。

各社からの具体的な特許出願を以下に一覧にしました(出願年が新しい特許から順に記載してあります)。 

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7.『新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)』

  2020年11月2日、国務院弁公庁は『新エネルギー自動車産業発展計画(2021~2035年)』を公布しました。この計画のなかで、戦略的好機を着実に捉え、好ましい情勢を揺るぎなく維持し、インフラストラクチャ、情報通信などの分野の優位性を十分に活かし、産業のコアコンピタンスを絶えず高めて、新エネルギー自動車産業の質の高い持続可能な発展を促進することを強調されています。新エネルギー自動車は、人工知能のほかにも新エネルギーや新材料、インターネット、ビッグデータなどのさまざまな革新的技術と融合し、自動車を単なる交通手段からスマートデバイス、エネルギー貯蔵ユニット、デジタル空間へと転換させ、エネルギー消費構造の最適化、交通システムと都市運営のスマート化水準を向上させることが望まれています。

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8.まとめ

  IPOMOEAでは特許調査サービスを提供しています。各種ご要望に応じた特許調査プランを提案させていただきます。お気軽にお問い合わせください。


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