翻訳チェックお役立ちツール~色 de チェック(基本)~

翻訳したものをチェックする際に、
主に自作の excel 表(前回の記事に記載)を使用していたのですが、
もっと使い勝手が良くてスムーズに作業できるものがないかな?
と、ずっと考えていました。

翻訳会社によっては、独自のシステムを使用している所もあります。

そうしているうちに見つけたのが【色 de チェック】マクロです。

https://www.wordvbalab.com/word-addin/iro-de-check/

【色 de チェック】マクロが、
どんなものか?どんなことができるか?については、
上記サイトをご覧いただくのがいちばん分かりやすいかと思います。

ここでは主に、実際の使用例や便利なところなどについて、
ご紹介したいと思います。


【色 de チェック】使用例


*以下の説明は英日翻訳のケースです。

おおまかに言うと、
前回ご紹介した自作 excel 表のように、

訳漏れ
符号記載漏れ
訳揺れ
スタイル揺れ
誤記
原文誤記


を見つけることを目的として使用しています。


まだ全部の機能を使いこなせていないのですが、現時点では、

原文と訳文に登場する数値のチェック
用語集を使用した原文と訳文に登場する用語のチェック


の機能を主に利用しています。


【色 de チェック】でチェックしたファイル例


色でチェック画面

こちらがイメージです。

(引用させていただきました)
https://www.wordvbalab.com/word-addin/iro-de-check/


ファイル形式も各種対応しています。

サイトでは、
2 つのファイルから「対訳表」を作成する方法が、
主に説明されています。

それでもいいですし、
私は Trados を使用した案件が大半なので、
Trados からエクスポートしたバイリンガルファイルを使用しています。


【色 de チェック】の特徴


自作 excel 表はそもそもたいしたことがないですし、
比較するのもたいへん恐縮ですが、
excel 表とは以下の点で異なります。

word マクロ機能であること
excel 表では、あくまでも照合された数値の差しか、
見ることができませんでした。
セル上での不一致について実ファイルまで見に行って、
どの用語が不一致なのかを調べる必要がありました。

色 de チェックの場合、
チェック結果が word 上で表示される
(原文と訳文の対比表の上で、
テキストの色やマーカーによって表示される)
ので、
どこの何がおかしいのか、すぐに見つけることができます。

大文字と小文字の区別が選択制
区別することも区別しないこともできます。

英語はあくまでもスペース区切りで拾う
excel 表では、語形の変化に対応するために、
単語の途中まで(例えば「translat」)を設定していたのですが、
色 de チェックはスペースでしか区切らないので、それができません。
(この後の「用語集」の節で詳しく説明します)

複数形に対応
対象の用語は単数形のみを使用すればよいです。

原文に存在する用語が訳文に存在するかどうかを見ている
原文に存在する用語と訳文に存在する用語の数を照合するだけではなく、
「存在するかどうか?」をひとつずつ当たって見ています。


【色 de チェック】の用語集を使用した例


訳漏れや訳揺れをチェックするにあたり、
そもそもチェック対象の用語を定義しておく必要があります。
その際には「用語集」を使用します。

用語集は自由に作成できます。
形式はテキストであれば任意のもので大丈夫です。
わたしは excel を利用しています。

用語集

こんなイメージです。

この用語集に設定された用語についてチェックを行います。

複数形には対応していても、
語形の変化には対応していないので、
動詞は変形バージョンも全部設定する必要があります。

私はけっこう細かく(たくさんの用語を)設定してあるので、
用語の量としては毎回 1,500 個くらいになります。

便利ですよね!
こんなに大量の用語を機械がやってくれるのですから。



【色 de チェック】は英語以外にも対応


サイトにも掲載されていますが、
【色 de チェック】は英語以外の言語にも利用可能です。

中日翻訳のケースをご説明します。

色でチェック中国語

こちらが中日翻訳で使用したファイルのイメージです。

対応が一致している数値はテキストが水色で表示されます。
一致していない数値は黄色で表示されます。

用語集に設定してある訳語と一致しない訳語がある場合は、
原語のテキストが赤色で表示されます。
一致している対応は言語のテキストが青色で表示されます。

着色の方法は任意に変更できるので便利です。

用語集中国語

こちらが用語集(中日翻訳用)のイメージです。


便利すぎる【色 de チェック】


どうでしょうか?
たいへん便利ではないですか?

使い始めて数か月ですが、
【色 de チェック】はもはや手放せなくなっています。

ど素人による自作 excel がすでに懐かしいです
(今は特定の用途にのみ使用しています)。


上記の説明には記載できなかった、
さらに便利なオプションも豊富です。

またこれらは、
あくまでも私が使用している機能であり、
そんな私もまだ使いこなせていない知らない機能があるので、
本当に一部のご紹介だと思います。

さらに学習を深めて、ご紹介できる機能を習得できれば、
また随時お知らせしたいと思います。


雪の金沢


金沢は昨日から本格的な冬がはじまりました。

夜には雪がしんしんと降っていました。
今はもう止んでいる様子ですが。

でも今年はほんとに雪が降らない。
異様な年です。

インフルやその他もろもろ流行していますが、
皆様もご自愛くださいませ。





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翻訳チェックお役立ちツール~excel 関数~

前回の記事

翻訳チェックお役立ちツール~チェックについて~

では、翻訳チェックの概要についてご説明しました。

ここでは、翻訳チェックのうち、
機械的な作業に対して使用できるツールというか
(ど素人による自作なのでたいしたものではない)
ちょっとしたチェック機能をご紹介いたします。


excel 関数を使用したチェック表


このチェック表では、以下の項目をチェックできます。

訳漏れ
符号記載漏れ
訳揺れ
スタイル揺れ
誤記
原文誤記


実際の作業としては、
原文に存在する用語と訳文に存在する用語の数を、
セグメントや段落ごとに比較することで上記項目をチェックします。



LEN 関数を使用した文字数カウント


*以下の説明は英日翻訳のケースです。

エクセル

画面イメージはこのようになります。


これは、Trados で作業したあとのファイルを
external review のバイリンガルファイルにエクスポートし、
それを excel に張り付けた形式です。

Trados ファイル以外でも、
原文と訳文をセル単位で対応させることができれば、
どんなファイルでもかまいません。


表の説明ですが、

A~D 列は、Trados 形式をベースに作成してあります。
source 列には原文、target 列には訳文が入ります。
segment 列は、Trados のセグメントに対応しています。


BCI ~の列には、
チェック対象の用語について、
原語と訳語の行が 1 対ずつ完結するように、
見やすさを優先して交互に入力しています。

たとえば、
水色の列が原語「malicious」、白色の列が訳語「悪意のある」です。

ここで入力する用語ですが、
自分でチェックしたいと思うものや、
目視では見逃しがちな複雑なものなど、
任意の用語を設定すればよいと思います。


2 行の緑色は、ファイル全体における、
原語と訳語の比較の合計です。

それより下は、セグメントごとの比較の数です。


LEN 関数を使用した文字数カウント機能


このチェック表で使用する関数は LEN 関数です。

以下に関数のサンプルを示します。

合計欄(緑色)原語:=SUM(LEN(B4:B526)-LEN(SUBSTITUTE(B4:B526,"malicious","")))/LEN("malicious")
合計欄(緑色)訳語:=SUM(LEN(D4:D525)-LEN(SUBSTITUTE(D4:D525,"悪意のある","")))/LEN("悪意のある")
原文蘭(水色):=SUM(LEN(B17)-LEN(SUBSTITUTE(B17,"malicious","")))/LEN("malicious")
訳文欄(白色):=SUM(LEN(D17)-LEN(SUBSTITUTE(D17,"悪意のある","")))/LEN("悪意のある")


この関数の計算結果によって、
ある用語について、
原文中に登場する回数と訳文中に登場する回数とを比較します。


実際の作業する際は、
この水色と白色に記載されている数字を見ながら、
不一致がないかどうか探していきます。

原語の数が訳語の数よりも多いときは、
訳漏れまたは訳揺れが疑われます。

訳語の数が原語の数よりも多いときは、
訳揺れまたは原文の誤記が疑われます。

このふたつのパターンが同時に存在している状況では、
緑色の比較合計欄の数は一致することになるので、
合計欄はあまりあてにせずに、セグメントごとの不一致を調べます。

不一致のあるセグメントがあった場合、
左のセグメント番号を参照して、
実際の Trados ファイル上で修正します。


符号の抜けもこれで容易に見つけられます。

原文の誤記(目視では見逃してしまうような)も、
これで見つけられるのが、ありがたい副次的作用です。


チェック表作成のポイント


チェック対象の用語が決まると、
それを入力する際に気を付けておくと便利なことがあります。

語形の変化

たとえば、
translate、translated、translation の全部を拾いたい場合は、
「translat」と入力します。

take、took などの語形が完全に変化するものは、
両方とも入力する必要があります。

複数形

複数形の場合も語形の変化の場合と同様、
単語の途中まで入力します。

device は「device」になります。
axis、axes は両方を入力したほうがいいです。

大文字小文字

こちらも考え方は同様ですが、省略する文字が先頭になります。

embodiment は「mbodiment」と入力すれば、
大文字のものと小文字のものの両方が拾えます。


この辺の感覚は、特許調査のノウハウ を持って入れば、
より分かりやすいと思います。


少し煩雑な excel 関数チェック表


この表を使用すると人間が見逃すものも見つけれくれるので、
便利かつ正確なことには間違いないのですが、
実際の使い勝手は、それほどよくないというか、
表の作成(チェック対象用語の入力)とチェック作業が、
けっこう時間がかかります。

10,000 ワードの原稿の場合、
チェックするのに 1 日くらいかかります。

でもこれしか知らなかった、これしか作れなかった頃は、
仕方ないと思って使用していました。

そんななかで、先の記事でも触れた
【色 de チェック】というマクロを見つけるわけです。


次回はこの【色 de チェック】マクロについてご紹介します。





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翻訳チェックお役立ちツール~チェックについて

特許翻訳は正確さや厳密さが大切なのは、
かねてから書いているとおりです。

翻訳時に発生するエラーとしては、
以下のものが挙げられます。

訳抜け(訳が単語単位または文単位で抜けている)
誤訳(訳語の選定誤り)
訳ゆれ(訳語が統一されていない)
表記ゆれ、スタイルゆれ
スタイル違反(公的/クライアントのスタイルガイドを遵守していない)
誤字脱字、誤記



これらのポイントについて、通常は、
翻訳者が訳した文章をチェッカーや校正者が確認を行っています。

しかし、このチェック作業のなかには、
機械的に行う部分もあり、
人間の目視によるチェックでは限界がある場合もあります。


そこで、チェック用ツールというものが、
いくつか存在しています。


翻訳チェック用ツール


わたしが使用したことのあるものとしては、
以下のものがあります。

Trados QA Checker 3.0
Xbench
word 文章校正機能
各クライアントから配布されるマクロ



これらのツールで見つけられるエラーとしては、

訳抜け
符号の抜け/誤り
スタイルガイド違反

などが代表的です。

しかしこれらのツールの個人的な感想としては、
もう一声というか、痒い所に手が届かないなといった印象です。

要するに、現状の機能では、
チェックすべき項目を全部チェックできないわけです。

ですので、わたしはこれらのツールを、
翻訳語の文章を目視でチェックしたあとの、
2回目のチェック用に使用しています。


結局、人間の作業の部分はあまり軽減できないな、
と感じながらチェックをしていました。

一方で、
たとえば、訳漏れ、訳ゆれ、符号の誤りなど、
絶対に機械にやらせたほうがいいと思う部分
について、
どうにかならないものかと考えていました。

そこで、ある方法を思いつきました。

excel 関数を使用した方法です。

これについては、次の投稿でご説明しますが、
最近、それよりも優れたツールがあることを発見しました。


翻訳チェックツール【色 de チェック】


エヌ・アイ・ティー株式会社が販売している、
【色 de チェック】というマクロです。

https://www.wordvbalab.com/word-addin/iro-de-check/


これが優れものなのです。

自分で作った excel 関数を使いながらも、
もっと便利なものがないのかと、
2 年くらいかけて探していたところ、
ようやく【色 de チェック】を見つけました。


機械でできることは機械に任せればいい、
と常々思っていながら、
実際に機械に全部を任せられることはなかったのですが、
【色 de チェック】はこれらの作業をほぼ全部やってくれます。


こちらの詳細については、
さらにその次の投稿でご説明したいと思います。



~次回につづく~



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Trados 新しいプロジェクトの作成

最近では Trados を含め、
さまざまな 翻訳支援ツール が普及しています。

わたしが Trados を導入してから 2 年経ちましたが、
いまだに操作がよく分からないと感じることがあります。

Trados では、公式マニュアルみたいなものはあるのですが、
トラブルシューティング用のドキュメントがありません。

困ったときは、
ユーザー個人の方々がブログで記載していることや、
海外の知恵袋みたいなサイトを参照しながら四苦八苦しています。

自分でも、操作のまとめみたいなものを作っておきたいなと、
日々感じながら仕事をしているので、
それらをここでも掲載しながら、
情報をシェアできればなと思っています。


いちばん最初に Trados を使用するとき


Trados では、ただ翻訳していくだけでは、
Trados を使っている意味がなく、
知っていれば便利な機能がたくさんあります。

たとえば、
新規翻訳でも翻訳メモリを設定しておかないと、
対訳を蓄積することができず、
一致している文章や繰り返し文章を特定できません。

今回は、Trados で新しいプロジェクトを作成する方法について、
図とともに分かりやすくまとめました。

翻訳メモリは新規作成し、
最低限の項目のみを設定するシナリオです。


Trados で新しいプロジェクトを作成する


さっそく作ってみましょう。

[ファイル]->[新規]->[新しいプロジェクト] を選択します。

[新しいプロジェクト] ダイアログが開きます。


新しいプロジェクトダイアログ

[プロジェクトの種類] 画面が開きます。

「プロジェクトテンプレートに基づくプロジェクトの作成」は
「Default」のままにします。

[次へ] をクリック。


ポップアップで、
「ユーザー名とパスワードを指定して、サーバーにログインします」
と表示されたら [キャンセル] を選択します。


プロジェクトの詳細

[新しいプロジェクト] ダイアログに戻ると、
[プロジェクトの詳細] 画面が開きます。

ここでは、プロジェクトの名前や保存場所を指定します。
たとえば「プロジェクト6」と入力します。

[次へ] をクリック。


プロジェクトの言語

[プロジェクトの言語] 画面が開きます。

原文言語と訳文言語を指定します。

[次へ] をクリック。


プロジェクトファイル

[プロジェクトファイル] 画面が開きます。

[ファイルの追加] から任意のファイルを指定します。
たとえば「①Trados.doc」というファイルを選択します。

[次へ] をクリック。


翻訳メモリ

[翻訳メモリと自動翻訳] 画面が開きます。

ここでは新しく翻訳メモリを作成する場合を例にします。
メモリ名にたとえば「①メモリ」と入力します。

[作成] をクリック。


翻訳メモリ全般

[新しい翻訳メモリ] ウィンドウの
[全般] 画面が開きます。

翻訳メモリの名前や保存場所を指定します。

[次へ] をクリック。


フィールドと設定

[フィールドと設定] 画面が開きます。

何もせずにとばします。

[次へ] をクリック。


言語リソース

[言語リソース] ウィンドウが開きます。

何もせずにとばします。

[完了] をクリック。


翻訳メモリを作成しました

[作成中] 画面が開きます。

翻訳メモリの作成が完了した旨が表示されます。

[閉じる] をクリック。


翻訳メモリできあがり

[新しいプロジェクト] ウィンドウに戻り、
[翻訳メモリと自動翻訳] 画面が開きます。

翻訳メモリが設定されていることが分かります。

[次へ] をクリック。


用語ベース

[用語ベース] 画面が開きます。

今回は用語ベースを使用しない例ですので、
ここは何もせずにとばします。

[次へ] をクリック。


プロジェクトの準備

[プロジェクトの準備] 画面が開きます。

何もせずにとばします。

[次へ] をクリック。


一括作成

[一括処理の設定] 画面が開きます。

このままにします。

[次へ] をクリック。


プロジェクトの概要

[プロジェクトの概要] 画面が開きます。

プロジェクトについて表示されているので、
内容を確認します。

[完了] をクリックするとプロジェクトの作成に入ります。


プロジェクトの設定

設定し直したい項目がある場合は、
[プロジェクトの設定] をクリックすると、
[プロジェクトの設定] ダイアログが開くので、
ここで設定できます。


プロジェクトの準備中

設定が終わると、
[プロジェクトの準備中] 画面が開きます。

プロジェクトの作成と設定が完了した旨が表示されます。

[閉じる] をクリック。


プロジェクトウィンドウ

プロジェクトが作成されました!


上記作成手順の途中で、枝分かれしていける詳細設定もあるのですが、
また別に機会にご説明できればと思います。






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中国語翻訳のコツ

中国語の文章を翻訳するときには、いろんな方法があり、
みなさんそれぞれ、ご自分に合った方法で翻訳していると思います。

わたしも 10 年、中国語翻訳をしてきて、
生産性が高いやり方なども分かってきたので、
すこしまとめてみたいと思います。


中国語翻訳の裏技(技術文献の場合)


翻訳する文章は技術文献、とりわけ特許を対象にご説明します。
(理由はのちほど)

中国語の特許明細書を翻訳するときにはまず、

★単語単位で置き換える

技術用語の訳語が決まったら、
ソース(中国語)のそれぞれの用語を、
ターゲット(日本語)の対応する訳語に置き換えます。
名詞、動詞、副詞、形容詞など、すべて置き換えます。
このときは、例えば word では、一括置換機能を利用します。

以下に例文を示します。


☆中国語(引用元:CN108766646(A))

1.一种超长HDMI光电复合线缆,包括光缆护套(1),其特征在于,还包括:
光纤单元(2),所述光纤单元(2)包括一根或多根光纤(21)和均匀挤塑在所述光纤(21)外周的光纤护套(22);
多根信号控制线(3),所述信号控制线(3)包括金属导线(31)和均匀挤塑在所述金属导线(31)外周的绝缘层(32);
地线(4),所述地线(4)为金属导体;
所述光纤单元(2)、多根信号控制线(3)和地线(4)外周设有的填充物(6),屏蔽层(5)包覆所述光纤单元(2)、多根信号控制线(3)、地线(4)和填充物(6),所述光缆护套(1)包覆所述屏蔽层(5)。


☆単語を置き換えたあと

1.一种超长HDMI光電気複合ケーブル,包括光ファイバシース(1),其特征在于,还包括:
光ファイバユニット(2),所述光ファイバユニット(2)包括一根或多根光ファイバ(21)和均匀押出成形在所述光ファイバ(21)外周的光ファイバシース(22);
多根信号制御線(3),所述信号制御線(3)包括金属リード線(31)和均匀押出成形在所述金属リード線(31)外周的絶縁層(32);
アース線(4),所述アース線(4)为金属導体;
所述光ファイバユニット(2)、多根信号制御線(3)和アース線(4)外周设有的充填物(6),シールド層(5) 被覆所述光ファイバユニット(2)、多根信号制御線(3)、アース線(4)和充填物(6),所述光ファイバシース(1) 被覆所述シールド層(5)。


こんな感じになります。

「包括」など、訳語がいくつか発生するものはそのまま残しておき、
あとで手動で置き換えます。


次に、

★語順を入れ替える

上記のとおり、そのままだと語順がおかしいです。

中国語は英語と同様に、
目的語の前に動詞がくるパターンがあるので、
これを日本語の語順に直します。

上記の例では「押出成形」を後ろに移動したりします。
ここでは「在」や「上」などの場所詞や、
能動態と受動態の違いなど、
語順に影響を与えるものに注意します。


最後に

★微調整する

あとは、接続詞「和」を「および」に直したり、
構成要素を整理したり、「前記」を付けたりして、
完成形に近づけます。


すると、以下のような訳文が完成するはずです。

☆日本語(引用元:特開2019-169457)

【請求項1】
ケーブルシース(1)を備える長尺HDMI光電気複合ケーブルであって、
1本又は複数本の光ファイバ(21)及び前記光ファイバ(21)の外周において均一に押出成形される光ファイバシース(22)を備える光ファイバユニット(2)と、
金属リード線(31)及び前記金属リード線(31)の外周において均一に押出成形される絶縁層(32)を備える複数本の信号制御線(3)と、
金属導体であるアース線(4)とを更に備え、
前記光ファイバユニット(2)、複数本の信号制御線(3)及びアース線(4)の外周に充填物(6)が設けられ、シールド層(5)は前記光ファイバユニット(2)、複数本の信号制御線(3)、アース線(4)及び充填物(6)を被覆し、前記ケーブルシース(1)は前記シールド層(5)を被覆する、ことを特徴とする長尺HDMI光電気複合ケーブル。


中国語特許には用語置き換え方式が便利


例を見て分かるようにこの方法は、
原文に忠実に訳さなければならない文章に向いています。

特許(技術文献、契約書なども)では、
第 1 に原文の内容をいかに正確に反映しているかが重要で、
日本語としての読みやすさは、
その前提を踏まえたあとで考慮します。

特許翻訳では、意訳することはほとんどなく、
たとえ多少読みにくくても、あくまで原文に忠実に訳します。

再構築の作業なども行いません。

むしろ、
用語の整合性などに厳密に注意して訳文を作成しなければならず、
たとえば、ソースに登場する単語の数は、
ターゲットに登場する訳語の数に一致している必要があります。

これを鑑みると、
用語置き換え方式を使用すると、
訳漏れや訳語の不統一は確実に防止できます。


一括置換で置き換わらなかった中国語は、
原文の誤記が考えられるので、
こういったコメント対象になる箇所を発見することもできます。


前述の目的語を伴う動詞の語順が英語に近いという場合を除いて、
中国語の文法や語順は日本語に類似しています。
ですので、置き換えた文章をそれほどいじらずに利用できます。

動詞の移動以外では、
節ごと移動する必要がある場合も考えられますが、
その場合でもカンマ単位で移動すればよく、
一度こわして作り直す作業は必要ありません。

一から訳文を作っていく手間も省けます。


手動置き換え方式と機械翻訳との比較


お気づきかとも思いますが、これは機械翻訳に近い手法です。

実際にわたしも、
中国語の翻訳ソフトはいくつか使用したことがあります。

そこに不足しているなと思った部分が、
訳語のチョイスがまずいことと、
語順が誤っていることです。

機械翻訳を利用したとしても、
訳語の見直し+語順の入れ替え作業は発生します。

それも大幅に誤っていると修正の手間も大きい。

で、結局、機械に頼らず、
自分で機械のように動作すればいいじゃないか、
という結論にいたった次第です。

この方法を使用するようになってから、
翻訳のスループットが大幅に向上し、
訳漏れが圧倒的に減少しました。


便利です。
ぜひお試しください[notes]




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