『少年は残酷な弓を射る』のレビューとセリフ



少年は残酷な弓を射る

解説
「ボクと空と麦畑」「モーヴァン」のリン・ラムジー監督が、強い悪意と執着心を抱く息子とその母親の関係を緊張感たっぷりに描いた人間ドラマ。自由奔放に生きてきた作家のエバは子どもを授かったことでキャリアを捨て、母親として生きる道を選ぶ。生まれた息子はケビンと名づけられるが、幼い頃からエバに懐くことはなく、反抗を繰り返していく。やがて美しい少年へと成長したケビンは反抗心をますます強めていき、それがある事件の引き金となる。「フィクサー」のティルダ・スウィントンが主演。

2011年製作/112分/PG12/イギリス
原題:We Need to Talk About Kevin
配給:クロックワークス

出典
https://eiga.com/movie/57494/


『少年は残酷な弓を射る』ひとことレビュー


マタニティブルー(育児ノイローゼ)だった母親の、
自分に対する嫌悪感を察してしまった息子が、
母親に愛されていないのではないかという不安を払拭するために、
あの手この手(殺人含む)で母親の愛情を試す、


という物語です。


『少年は残酷な弓を射る』感想つれづれ



★赤色使いが美しくて恐ろしい

劇中には要所ごとに赤色が登場します。
また、赤色は嫌な予感を与える役割を果たしています。

印象的だったのは、
「トマト投げ祭り」、
「手についた赤色のペンキ」
「パンの上のいちごジャム」のシーンなど。

登場人物、
特に母親にとって嫌なことが起こる前、
または起こっている最中に、
とにかく赤色のものが登場して、
観客も不穏な気持ちにさせてくれます。


★ティルダ・スウィントンの演技がすばらしい

キャリア史上最高の演技とも言われています。

本来、強い女性だと思うのですが、
恐ろしい息子(エズラ・ミラー)を前にして、
たじろぐ姿が印象的でした。

あとはやっぱりラストで息子を抱きしめるシーン。
母の愛そのものでした。


★食べ物の扱い方が効果的

食べ物も不穏さの象徴として表現されています。

食べることは本能だけに、
それが嫌な場面で使用されると、
直接胃にうったえかけらるような気分になって嫌さも倍増します。


『少年は残酷な弓を射る』大事なテーマ(親子関係)


ひとことレビューに記載のとおりですが、

母親からの愛に餓えた息子による、
母親から注目されたいとか、
母親からの愛情を試したいとか、
母親を独占したいとか、などの気持ち。

これらがとてつもなく大きいのです。

そして、
母親に対して素直に愛情表現できなくて、
困らせることばっかりをしてしまう。

最終的には父と妹を殺したうえに、
自分の通っている学校で無差別殺人を行います。

殺人してまでも息子が求めていたことは、
母に自分の存在を認めてもらうこと。


殺人してまでも息子が問いたかったことは、
自分を愛しているのかどうかということ。



このように歪んだ愛情が大きすぎることで、
多分、息子本人も心の底では当惑していたのだと思います。

それがラストシーンの少年院での母との会話で、

Eva(母) : Why?
=どうして?(殺人の理由を聞いていると思います)

Kevin (息子): I used to think I knew. Now I'm not so sure.
=分かってると思ってたけど、そうじゃなかった

という、自分のこともよく分からないといったような、
セリフにつながるのだと思います。


「どうして私にひどいことばかりするの?」と、
母親が息子に対してよく言っている(思っている)のですが、

その理由は「母に愛されたいから」にほかならない。
母親がもしそのことに、もっと早く気づいていれば、
息子は無差別殺人を起こさなかったかもしれない。

あの殺人事件は、
両親が離婚することになり、
息子は父親が引き取ることになり、
母親と離れ離れになることに対する最後の抵抗だったので。



『少年は残酷な弓を射る』ラストシーン


息子が成人して少年院から刑務所に送られる前、
その不安を表している息子のことを、
母親が強く抱きしめます。

このときにようやく息子は、
母からの愛情を確認できたのではないでしょうか。


自分たち以外の家族全員を殺して、
知らない他人まで巻き込んで、
服役までして、

それでも母は自分を受け入れてくれた。

と。


ものすごく個人的に感じたことなのですが、
母親役のティルダ・スウィントンは長身な人で、
息子を抱きしめたときでも息子よりも身長が高いのです。

それがなぜか説得力があるというか。
母の身長は、男の子供には抜かされてしまうものなのですが、
この親子はそうではなくて。

母の愛にかなうものはないなと絵的に感じしまう場面でした。


母は家に帰っても、
誰もいない息子の部屋をきれいに片づけています。
いつ息子が帰ってきてもいいように。

その後もふたりの人生や易しくはないはずですが(人殺しなので当然)、
息子を見捨てることなく(だってこの息子を育てたのは母なのだから)、
ともに生きていこうという決意が見えます。

余談ですが、なぜかこのときの息子の部屋が、
ポップな水色でかわいらしいへやっだったのが、
話の流れと矛盾していて、
意外にも妙に穏やかな将来を予想してしまって、
却って印象的でした。



私も過去にある助産婦さんから、
「赤ちゃんはお腹にいるときからお母さんの話を聞いている」
という話を聞かされたことがあります。

『少年は残酷な弓を射る』はその極端なかたちですね。



『少年は残酷な弓を射る』での「context」の使い方


英語に「context」という単語があります。

もともと訳しづらいというか、
どの訳語を当てればいいのか、
いつも立ち止まって考えてしまう単語です。

日本語訳としては、
文脈、前後関係、状況、背景、環境、コンテクスト、コンテキスト

などがあります。

この「context」を使用した興味深いセリフが劇中に登場するので、
ご紹介いたします。


場面:
両親が離婚について話し合っているところを、
息子がこっそり聞いてしまいます。
それを父親が見つけたときの会話です。

Franklin (父): Hey, Kev. Listen buddy, it's easy to misunderstand something when you hear it out of context.
=きっと誤解しているよ。話を全部聞いてたわけじゃない。

Kevin(息子) : Why would I not understand the context? I am the context.
=そんなことないでしょ。僕の話だよね。


使い方的に分るでしょうか。

「I am the context.」という部分のせいで、
なぜかこのやり取りを強く記憶してしましました。

ネイティブの人にも理解しづらかったのか、
米国版 yahoo 知恵袋みたいなサイトで、
「この context はどういう意味?」という質問がされていました。



『少年は残酷な弓を射る』は大好きな映画です。
「歪んだ愛」系が好きなのでなおさら。

ティルダスウィントンも大好きな女優さんです。

また特記すべきは、
エズラ・ミラーの美少年っぷり。
ほんとに美しいだけに、
こんな息子ににらまれると怖さもひとしおです。

ジョニー・グリーンウッドの音楽もすばらしい。


好き嫌いが分かれる作品のは承知のうえですが、
私は好きです。名作だと思う。
原作の小説も大ヒットしてるみたいなので、
ぜひ読んでみたいです(原文で!)。


※セリフの引用は以下から。
https://www.imdb.com/title/tt1242460/characters/nm3009232






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映画レビュー【パラサイト】




【パラサイト】

解説

「殺人の追憶」「グエムル 漢江の怪物」「スノーピアサー」の監督ポン・ジュノと主演ソン・ガンホが4度目のタッグを組み、2019年・第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルムドールを受賞した作品。キム一家は家族全員が失業中で、その日暮らしの貧しい生活を送っていた。そんなある日、長男ギウがIT企業のCEOであるパク氏の豪邸へ家庭教師の面接を受けに行くことに。そして妹ギジョンも、兄に続いて豪邸に足を踏み入れる。正反対の2つの家族の出会いは、想像を超える悲喜劇へと猛スピードで加速していく……。共演に「最後まで行く」のイ・ソンギュン、「後宮の秘密」のチョ・ヨジョン、「新感染 ファイナル・エクスプレス」のチェ・ウシク。

2019年製作/132分/PG12/韓国
原題:Parasite
配給:ビターズ・エンド

出典
https://eiga.com/movie/91131/



もうみなさんご覧になりましたか?
これはぜったい見ないとだめなやつです。

カンヌで最高賞をとりましたけど、
それ抜きにしてもぜったい見ないとだめ!

斉藤工みたいなことを言ってますが、
間違いなく今年おすすめ作品です。


【パラサイト】レビュー


今日鑑賞したばっかりで、
何をどうまとめればいいのかわからないのですが、
思うことを徒然てみたいと思います。
(ネタバレは少し含みます)


まず、ポンジュノ ブラボー!の一言に尽きます。

ポンジュノ作品はずべて鑑賞していますが、
そのなかでもいちばんでしょうね。パラサイト。



時系列の切り替えに対する
カメラワークのトリッキーな織り交ぜ方は健在でした。

回想シーンが現在シーンとうまく混在させられているので、
回想でも実際に起こっているような錯覚に陥ります。

この錯覚というか立体感がものすごくて、
なんともハッとする瞬間なのですが、
これはポンジュノ作品を観たときにしか感じない。

上手いです。とにかく上手い。


あとすごかったのは、
ソンガンホ一家の宴会シーンの長回し。
カットなしでカメラの目線はひとつで、
話し手を順番に映していく。
臨場感満載です。


場面場面の伏線とか、そのための小道具使いとか、
感動するポイントはほかにも多数ありました。

監督が担当したスクリーンプレイが秀逸なのはさることながら、
たくさん散りばめられている伏線のなかでも、
回収できない伏線があったり、
やっぱりポンジュノだよねと思います。

とにかくポンジュノ固有。
オリジナリティに溢れていました。


ソンガンホ氏の演技も注目ポイントだと思いますが、
終盤の殺戮場面の大団円での表情だけの演技。
秀逸です。

自身の子供たちが危険にさらされるのを見ている不安な表情から、
朴社長のくさい表情を見たときの殺意に変化する顔演。

これはもうソンガンホ氏にしかできない技でしょうね。


【パラサイト】ストーリーについて思うこと


ストーリー的には総じて、

貧困層が悪の手を使って善良な富裕層を騙して、
楽においしい思いをしようとするが、
そんなに簡単にはいかない。

最終的には失敗して、
貧富の差の壁は依然として高いし、
悪を働いた代償は背負わなければならない。

といった内容です。


乱暴な言い方だと、
貧乏人が自分で立てた波風を自分でかぶって、
そのとばっちりを受けた金持ちが犬死にさせられる。


なのですが、
そこはやっぱり、ポンジュノの作り方であり、
ソンガンホをはじめとした役者陣の名演であり、
これらが話をとてもおもしろくしています。


映画の途中まで、
比較的コミカルに微笑ましい感じで進んでいきますが、
元の家政婦の秘密が暴露されてからは、
ハラハラドキドキが連続する時間です。

ラストもいかにもポンジュノらしいです。


あとは、
善悪の物差しが無視されているところも
特記すべきところかなと思います。

どちらかと言うと、
善良な人々が憎らしく映ってしまうような作りです。


【パラサイト】印象に残ったシーン


いちばん印象的だったシーンは、
息子が雪山に登って、そこからあの邸宅を見下ろすシーンです。

自分たちが住んできた半地下でもなく、
乗っ取ろうとした邸宅でもなく、
さらにその上まで行って、かつての夢の跡を眺める。

そしてそこで、
あのモールス信号を見つけることができるわけです。

とても重要な場面でもあります。


【パラサイト】半地下のにおい


本作はにおいを表現することを試みた作品と言われています。

本来、においは伝達できないものですが、
そういった難度が高いことにチャレンジしたということ。

「半地下のにおい」は、
作品全体を通じて重要なキーワードでもあります。

劇中では、
古い切り干し大根のにおいとか、
煮洗いした雑巾のにおいとか、
表現されていましたが、
個人的には、カビのにおいなのだろうなと思っています。


善良な金持ちが唯一善良には見えなくなる部分であり、
それを理由に殺されてしまう部分というのが、
貧乏人をそのにおいに基づいてバカにする部分であったりします。



映画は映画としておもしろいのですが、
韓国に長く存在している貧富の差については、
しっかりと考えなくてはならないですね。

坂道に廃墟まがいの住宅と屋台が並ぶ風景は、
韓国映画には頻繁に登場しますが、
それを見るたびに、ああ、そうなんだよな、
と思い知らされます。



本作、もちろん再鑑賞したいのですが、
過去のポンジュノ作品もぜんぶ観直したくなります。
それくらいおもしろかったし、ポンジュノやっぱり天才です。

あとはもう黙って観に行ってくださいと言いたいのみ!
オスカー・ゴーズ・トゥーにもぜひ期待したいです[shine]




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映画【White Oleander】のセリフから感想まで



【White Oleander】ホワイト・オランダー

解説

ジャネット・フィッチの全米ベストセラー小説を、豪華女優陣の競演で映画化したヒューマン・ドラマ。美しく支配的な母親が逮捕されたことで、里親を転々とすることになる少女の心の自立と母との葛藤を描く。監督は「嵐が丘」のピーター・コズミンスキー。主人公には新人アリソン・ローマン。その母親にミシェル・ファイファー。共演にレニー・ゼルウィガー、ロビン・ライト・ペン。

2002年製作/109分/アメリカ
原題:White Oleander
配給:ギャガ=ヒューマックス

ストーリー

美しくカリスマ性を持つ芸術家の母イングリッド(ミシェル・ファイファー)が、恋人殺しの罪で逮捕され、終身刑を宣告された。天涯孤独となった15歳の娘アストリッドは、3人の里親の下を転々とすることに。彼女は里親たちとの新しい生活になじもうと努力するが、そんな娘の変化を敏感に感じ取るイングリッドは、「自分を見失うな、他人に心を許すな」と、獄中からも独善的な価値観で娘を縛り付ける……。

出典
https://eiga.com/movie/51841/


【White Oleander】レビュー


これはほんとにほんとに大好きな映画です。
何十回鑑賞したか分かりません。


一言で言うなら、
自己愛の強い母との共依存関係を克服する娘の物語
といった内容です。


そんな母しか知らなかった娘なわけですが、
母の服役を境に、はじめて外部環境に触れて、
当然いろんな人とも関わりを持ち、
これまでの母との関係を見直していくことになります。

母を憎むタイミングにも遭遇しますが、
最終的には許すというか、
「あれでも私を愛していたのだ」
というセリフがラストで綴られます。


この映画の何が好きって、
とにかく「白」の美しさが際立っているところと、
それに負けないミッシェル・ファイファーの圧倒的「美」。


とりわけ最後の法廷のシーンで、
ミッシェルが白いブラウスに白いスカートで登場する場面。
圧巻です。

白い夾竹桃(=White Oleander)を枝から切り取って、
牛乳の中に入れるシーンも大好きです。

このとき、ミッシェルは、鮮やかな青色の服を着ていて、
(この映画では、ほとんど白か青の服しか着ない)
その対比がまた美しいのです。


内容いろいろ、語りたいことが尽きないのですが、
今回の投稿では、劇中の印象深いセリフを
いくつかご紹介したいと思います。


【White Oleander】代表的なセリフ①


娘に対して独裁的な母を象徴するセリフとして、

I made you, I'm in your blood.
You don't go anywhere until I let you go!

血の繋がりは簡単には断てない。
私を置いていくことはできない。


「I made you」はおそらく、
日本人はこういうこと言わないですね。
私の自分の息子には言わない。
とてもパワフルな言葉です。


そしてこれを言われた娘が次のように対抗します。

Then let me go.
You look at me and you don't like what you see,
but this is the price, mother.
The price of belonging to you.

もう自由にさせて。
ママはこんな風になった私をきらいだと言った。
でもこれが、あなたに従ってきたことに対するせめてもの代償なの。


「The price of belonging to you.」

毒親に育てられた子供は毒を持って育つ、
みたいなことを遠回りに言いたいのでしょうね。


この親子特有なのかもしれませんが、
愛情や関係性を表す表現が too powerful 。
あたりの強いセリフが豊富ですが、そこもこの作品の良さですね。


【White Oleander】代表的なセリフ②


先に触れた、母が牛乳に夾竹桃を入れるのは、
夾竹桃の毒を恋人に飲ませて殺害するためなのですが、
そのときに言ったセリフとして、

Love humiliates you.
Hatred cradles you.

愛することは屈辱。
憎しみは原動力。



なんというひねくれものなのでしょう。
と思ってしまいますが、
こういう思想を維持していなければ、
あの母のように強く振舞うことはできないのでしょう。

世の中、ことごとく冷めて見える人がいますが、
彼らは実は人並み以上に敏感だったりします。

感傷に浸ると一気に崩れ落ちてしまうので、
なるべく淡々と強く振舞っていようとする。
そうすることで自分を保持したいから。

この母も然りですね。
じゃないと、自分と娘を捨てた夫のことも、
自分を裏切った恋人のことも、
そんな現実は受け入れられない。

この母のもっとすごいのが、
上記セリフを、娘に教えて聞かせているところ。

毒そのものですが、それにも勝る美しさで、
妙に説得されてしまいます。


【White Oleander】代表的なセリフ③


映画の冒頭で娘の朗読があります。
大人になった娘が過去を振り返って、
母との生活や自分のことを語っているシーンです。

ほかの人のように満たされなかった少女時代を、
うまく表現しているセリフなのですが長いので掲載だけ。


Everybody asks why I started at the end and worked back to the beginning.
The reason is simple.
I couldn't understand the beginning until I had reached the end.
There were too many pieces of the puzzle missing.
Too much she would never tell.
I could sell these things.
People want to buy them.
But I'd set all this on fire first.
She'd like that.
That's what she would do.
She'd make it just to burn it.
I couldn't afford this one, but the beginning deserved something special.
But how do I show that nothing, not a taste not a smell, not even the color of the sky has ever been as clear and sharp as it was when I belonged to her.
I don't know how to express that being with someone so dangerous was the last time that I felt safe.


出典
http://www.script-o-rama.com/movie_scripts/w/white-oleander-script-transcript-lohman.html


【White Oleander】コラージュ作品


この映画では、母がアーティストの設定なので、
すてきなコラージュがたくさん登場します。

わたしは、娘が大人になってから作っている、
スーツケースのシリーズがいちばん好きです。


そのほかにも、本作、キャストが豪華です、
主演のアリソン・ローマンは、もちろんかわいいし、
助演女優の美の競演も見られます。


ロサンゼルスの夏の風景も見どころです。


よろしければご鑑賞ください[notes]




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映画レビュー『ジョーカー』




やっと観れたーーー!
観たくて観たくてしょうがなくて、
予告編を何十回観たか分かりません!


実はこの作品、
どんでん返しというか、それなりにストーリー展開があります。
わたしは事前に情報収集する段階で、
そのネタバレも知ってしまっていました。
(わたしが普段、映画に求めるのは、
芸術性、技術、演技や演出を含めた完成度の高さなので、
プロットがどうであるかはあまり関係ない。)

その前提で鑑賞したのですが、予想を超えるおもしろさでした[shine]


『ジョーカー』あらすじ


すでにご存じの方も多いと思うので、
リンクのみ貼らせていただきます。

Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC_(%E6%98%A0%E7%94%BB)


『ジョーカー』レビュー概要


なぜおもしろいか?
なぜヒットしているか?

その要点をまとめると、、、

①ホアキン・フェニックスの演技
②ストーリー性
③主人公のカリスマ性(善と悪が入れ替わっている)


この 3 つだと勝手に考えます。


ホアキン・フェニックスの演技については、
オスカー候補 にもなっているくらいですので説明不要ですね。
特に、24 ㎏減量した体ご注目です。


ストーリー性については先にも少し述べたとおり、
「えー?そうだったのー?」となる場面がいくつかあります。
それも一部の時系列を除いては、
比較的分かりやすい構成になっているので一般受けもしやすい。


わたしが驚いているのが、
ベネチアで賞を取った作品が全世界で等しく評価され、
ジェネラルに受け入れられている点です。


ベネチアでは、アート性の高い、
どちらかと言うと偏った作品が評価されるのが一般的です。

今回、ジョーカーが、
ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したことについて、
ハリウッド大手スタジオによる作品が選ばれるのはまれで、
アメコミ映画としては史上初の快挙だそうです。

万人受けする作品とマニアックな作品が両立できるためには、
分かりやすさって重要だなと思いました。


『ジョーカー』が危険(思想的に)だと言われる理由


これがなんでかと言うと、
心優しい青年アーサーが悪のジョーカーに変貌してゆく過程で、
映画の観客はアーサーに感情移入してしまうから。


本来、悪は憎むべき、正すべきものなのですが、
悪や殺人をも容認し、
引いては正当化してしまうような気分になるから。

実際に劇中アーサーは英雄的に描かれていますし、
暴力を誘発してしまう映画なのでは?
ということが懸念されています。

VANITY FAIR の記事
https://www.vanityfair.com/hollywood/2019/08/joker-review-joaquin-phoenix

において、
it also may be irresponsible propaganda for the very men it pathologizes
という記載もあります。

わたしは個人的には、
「でもこれ映画だから」ってことしか思わないですけど。

映画限らず、テレビやネットで何らかの影響を受けることは、
避けられないことですしね。


『ジョーカー』を観て思うことあれこれ(主観的)


ここからは超個人的な感想を徒然てみたいと思います。

まず、前半のアーサー、
かわいそうすぎる。非常に気の毒です。

スラム街で貧困と闘いながら、
年老いた母の面倒をみて、かつ自身も障害を抱え、
そんな境遇でも良心的に真面目に生きているだけなのに、
理不尽な出来事がこれでもかと彼におそいかかります。

もうほんとに、そりゃないぜってくらい。
あのガリガリな体が、さらにその過酷さを増強する。
絶妙な歯並びの悪さ(CG?)も寄与しています。
走り方も必死で子供にまねされそうな滑稽なフォームで走ります。

しまいには、すべて哀れに見えてしまう。


ところが、
ジョーカーへと変身するきっかけとなる殺人事件を起こして以来、
そんなかわいそうな彼は思想も態度も一変します。

前は猫背で歩いていたのに、
ジョーカーに近づくにつれて堂々と歩くようになる。
だんだん自信も満ち溢れるようになる。

ふだんは誤字脱字が多かったり、
文字も小学生並みにきたないアーサーが、
犯罪を犯すときだけは、きれっきれになります。


ここで観ている側としても、
「やったぞアーサー!」
「殺されたやつはざまあみろだ!」
とかついつい思ってしまいます。

これがまさに、この映画が危険と言われる理由なのですが。

でもそれくらいアーサーが、
水を得た魚のように生き生きとしだすのです。


そして、
終盤のゴッサムシティでの大団円。

殺人鬼なのに交通事故から救出されたうえ、
市民の拍手喝采をあびる。
口からの流血で口紅を描く。

ジョーカーに変貌したアーサーにとって、
その喜びを最大限に享受している場面です。

おそらくこの時点で、
映画の観客も劇中の群衆とシンクロすると思われ、
③主人公のカリスマ性(善と悪が入れ替わっている)
に想到した理由がこの場面です。


でもすごく思うことがあって。

まず、アーサーの声が子供っぽい。
口調も優しい。
守ってあげたくなるような話し方をします。

そして、優しい目をしている。

いわば、アーサーの持って生まれた特性なのですが、
これらがジョーカーになった後も見え隠れするのです。

悪人になっても仕方ないよねって環境に加え、
ジョーカーの中に垣間見えるかつてのアーサー。

いずれも、
ジョーカーに感情移入してしまうさらなる要因になります。


「笑い」の分析あれこれ


『ジョーカー』の大きなテーマである「笑い」

劇中ではアーサーは、
おかしくないときでも、いつでもどこでも笑ってしまう病気で、
これは脳の疾患に起因するものだと説明されています。

よく観察していると、アーサーは、
緊張にさらされたときに笑い出すことが分かります。

笑いをがまんしていると、今度は足が震えだします。


この笑いに生涯アーサーは支配されるのですが、
奇しくもこの笑いが人々の注目を浴びるきっかけとなります。

つまり、コメディアンを目指していたアーサーが、
この笑いのおかげで日の目を見ることができるのです。

キャッチコピーにもなっている、

Put on a happy face.
笑いの仮面をかぶれ。


冒頭のシーンで、アーサーは泣きながら笑っています。
映画の広告ポスターにもなっている印象的なシーンなのですが、
アーサーはジョーカーになる前は、
心から笑っていたことなんてなかったのでしょう。
ジョーカーになった後も心から笑えているのかは疑問ですが。


ストーリーのトリック


ネタバレになるので、詳しくは書きませんが、
ザジー・ビーツ 演じる隣人女性の部屋番号が、
変化していたことに、お気づきだったでしょうか?

現実のときは「8B」〇〇のときは「B」になっています。

こういった文字やデータから伏線が読み取れることが多いので、
注意して見てみるとおもしろいですよ。



ラストシーンの謎については、
ネット上のレビューでさまざまな考察が飛び交っています。

わたしが支持するのは回想シーン論かな。
ほかにもいくつかあります。
ご興味ある方は見てみてください。


まとめ『ジョーカー』劇中のセリフから


やっぱりいちばんは、これでしょうね。

I used to think that my life was a tragedy, but now I realize, it’s a comedy.
僕の人生は悲劇だ。いや違う、喜劇だ。



ほかにも、
善悪は主観で決めるものだ。

という非常に興味深いセリフも。
これはジョーカーに変貌した自分を正当化しているセリフなのですが、
最終的に、

善悪は紙一重である。

という結論にいたります。


そしてこれがこの映画のすべてでもあります。


『ジョーカー』傑作でした。
ホアキン・フェニックスの作品のなかで best performance ever!
どこを切っても間違いない。

まだご覧になっていない方、ぜひ映画館へ!




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『ジョーカー』が待ち遠しい




『JOKER』 ジョーカー

Put On A Happy Face 笑いの仮面をかぶれ


2019 年 10 月 4 日、日米同時公開予定です。
早くみたくてみたくてみたくてたまらない[sign01]


わたしは普段、DC コミックがベースの作品は観ません。

しかし、本作は、
プレビューを観る限り、あまり漫画のにおいがしないことと、
大好きな ホアキン・フェニックス が主演ということ、
そして、
けっこう好きな ロバート・デニーロ も出るということ、
さらに、
プレビューで使われていた楽曲が、
チャップリン作の『スマイル』 であったことから、
作り込まれたプレビューと、
わずかな予備知識のみにすっかり魅了され、
上映を心待ちにしている作品です。


『ジョーカー』のストーリー


脚本的には、原作とは大幅に異なっており、
独自のストーリーが展開されていくようです。

おおまかに言うと、
売れない大道芸人だったアーサー・フレックが、
極悪ジョーカーに変貌していく様子が描かれます。


プレビューのなかでは、
アーサーがお母さんと過ごしているシーンがかわいらしく、
このときだけは「仮面」ではなく、心からの笑顔を見せています。

ある意味アーサーは、マザコンのように見えるのですが、
この母親との関係の過密性が、
後に狂気を育てる肥料になってしまうのではないかなと、
勝手な予想をしています。


『ジョーカー』に対する映画祭関係者の反応


先日、本作がトロント映画祭に出品することが発表されたのですが、
昨日さっそく、以下の記事が投稿されました。

DC 映画『ジョーカー』は「アカデミー賞まっしぐら」
─ ヴェネツィア、トロント映画祭ディレクターが早くも大絶賛

引用元
https://theriver.jp/tag/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC/

・今年もっとも驚くべき映画
・アカデミー賞まっしぐら
・ホアキン・フェニックスによるキャリア史上最高の演技

やっぱりー!とう感じですよね。


この記事を読む前でも、
今年のオスカーは、ぜったいにホアキンに行くよ。
と、密かに勝手に思っており、
ごく身近な人にしか、こういう話もしていなかったのですが、
みんな同じように思っているのか!と、
余計に楽しみになってしまいます。



主演のホアキン・フェニックスは、
常に熱演している印象がありますが、
本作でも、すばらしい怪演が予想されます。

『ダークナイト』のヒース・レジャー は、
映画が終わった後に残念なことになりましたが、
ホアキンはルーニー・マーラとの婚約も発表しましたし、
充実した私生活ぶりがなによりだと思います。


それにしても、早く観たいですよ!
いまから心底、楽しみにしています[shine]






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