翻訳チェックお役立ちツール~excel 関数~

前回の記事

翻訳チェックお役立ちツール~チェックについて~

では、翻訳チェックの概要についてご説明しました。

ここでは、翻訳チェックのうち、
機械的な作業に対して使用できるツールというか
(ど素人による自作なのでたいしたものではない)
ちょっとしたチェック機能をご紹介いたします。


excel 関数を使用したチェック表


このチェック表では、以下の項目をチェックできます。

訳漏れ
符号記載漏れ
訳揺れ
スタイル揺れ
誤記
原文誤記


実際の作業としては、
原文に存在する用語と訳文に存在する用語の数を、
セグメントや段落ごとに比較することで上記項目をチェックします。



LEN 関数を使用した文字数カウント


*以下の説明は英日翻訳のケースです。

エクセル

画面イメージはこのようになります。


これは、Trados で作業したあとのファイルを
external review のバイリンガルファイルにエクスポートし、
それを excel に張り付けた形式です。

Trados ファイル以外でも、
原文と訳文をセル単位で対応させることができれば、
どんなファイルでもかまいません。


表の説明ですが、

A~D 列は、Trados 形式をベースに作成してあります。
source 列には原文、target 列には訳文が入ります。
segment 列は、Trados のセグメントに対応しています。


BCI ~の列には、
チェック対象の用語について、
原語と訳語の行が 1 対ずつ完結するように、
見やすさを優先して交互に入力しています。

たとえば、
水色の列が原語「malicious」、白色の列が訳語「悪意のある」です。

ここで入力する用語ですが、
自分でチェックしたいと思うものや、
目視では見逃しがちな複雑なものなど、
任意の用語を設定すればよいと思います。


2 行の緑色は、ファイル全体における、
原語と訳語の比較の合計です。

それより下は、セグメントごとの比較の数です。


LEN 関数を使用した文字数カウント機能


このチェック表で使用する関数は LEN 関数です。

以下に関数のサンプルを示します。

合計欄(緑色)原語:=SUM(LEN(B4:B526)-LEN(SUBSTITUTE(B4:B526,"malicious","")))/LEN("malicious")
合計欄(緑色)訳語:=SUM(LEN(D4:D525)-LEN(SUBSTITUTE(D4:D525,"悪意のある","")))/LEN("悪意のある")
原文蘭(水色):=SUM(LEN(B17)-LEN(SUBSTITUTE(B17,"malicious","")))/LEN("malicious")
訳文欄(白色):=SUM(LEN(D17)-LEN(SUBSTITUTE(D17,"悪意のある","")))/LEN("悪意のある")


この関数の計算結果によって、
ある用語について、
原文中に登場する回数と訳文中に登場する回数とを比較します。


実際の作業する際は、
この水色と白色に記載されている数字を見ながら、
不一致がないかどうか探していきます。

原語の数が訳語の数よりも多いときは、
訳漏れまたは訳揺れが疑われます。

訳語の数が原語の数よりも多いときは、
訳揺れまたは原文の誤記が疑われます。

このふたつのパターンが同時に存在している状況では、
緑色の比較合計欄の数は一致することになるので、
合計欄はあまりあてにせずに、セグメントごとの不一致を調べます。

不一致のあるセグメントがあった場合、
左のセグメント番号を参照して、
実際の Trados ファイル上で修正します。


符号の抜けもこれで容易に見つけられます。

原文の誤記(目視では見逃してしまうような)も、
これで見つけられるのが、ありがたい副次的作用です。


チェック表作成のポイント


チェック対象の用語が決まると、
それを入力する際に気を付けておくと便利なことがあります。

語形の変化

たとえば、
translate、translated、translation の全部を拾いたい場合は、
「translat」と入力します。

take、took などの語形が完全に変化するものは、
両方とも入力する必要があります。

複数形

複数形の場合も語形の変化の場合と同様、
単語の途中まで入力します。

device は「device」になります。
axis、axes は両方を入力したほうがいいです。

大文字小文字

こちらも考え方は同様ですが、省略する文字が先頭になります。

embodiment は「mbodiment」と入力すれば、
大文字のものと小文字のものの両方が拾えます。


この辺の感覚は、特許調査のノウハウ を持って入れば、
より分かりやすいと思います。


少し煩雑な excel 関数チェック表


この表を使用すると人間が見逃すものも見つけれくれるので、
便利かつ正確なことには間違いないのですが、
実際の使い勝手は、それほどよくないというか、
表の作成(チェック対象用語の入力)とチェック作業が、
けっこう時間がかかります。

10,000 ワードの原稿の場合、
チェックするのに 1 日くらいかかります。

でもこれしか知らなかった、これしか作れなかった頃は、
仕方ないと思って使用していました。

そんななかで、先の記事でも触れた
【色 de チェック】というマクロを見つけるわけです。


次回はこの【色 de チェック】マクロについてご紹介します。





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comments (0) | trackbacks (0) | posted by Yukina Miyazaki

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